2026.10.29 J.K. Wiltonコンシェルジュ編集部 / 参考:RM Sothebysプレスリリース、The European、Driven Car Guide(確認日 2026.10.29)
長年可愛がってきたクラシックカーを手放すべきか、あるいはこれから一台を手に入れるべきか。Cさん(仮の例)は、所有するフェラーリの旧いモデルの価値を調べ始めて、思いのほか奥が深いことに気づきました。
同じような外見の車でも、オークションでの価格は数倍単位で開くことがあります。ブランドやモデル、さらには来歴(プロヴェナンス)や状態によって評価がまったく変わるためです。
「名車」であることと、「資産として値上がりする」ことは、必ずしも同じではない。
この記事では、海外の主要オークションハウスが公表した2026年の取引実績をもとに、アンティーク・カー市場で今起きていることを整理します。
RMサザビーズが開催したアリゾナ・オークション(2026年)は、フェラーリ・エンツォ、F50、LaFerrariなどの出品を中心に、約6,300万ドルの売上を記録しました(RM Sothebysプレスリリース)。
続くモントレー・オークションでは、マクラーレンF1 GTRが最高額となり、チャリティ出品のフェラーリ「ルーチェ」が4,000万ドル、クラーク・ゲーブル旧蔵のデューセンバーグ、歴代最高額のコルベットなど複数の記録が生まれ、総売上は3億8,000万ドルと過去最高を更新しました(RM Sothebysプレスリリース)。
調査会社Hagertyの分析によれば、クラシックカー市場は2026年にかけても一定の勢いを保っているものの、セグメントによる二極化(K字型)が進んでいるとされます。フェラーリやポルシェなど一部のブランドが値上がりを続ける一方、それ以外の車種は相対的に伸び悩む傾向があるといいます(Motorious、Borro)。
Hagertyが毎年発表している「Bull Market List」では、今後の値上がりが見込まれる車種が選定されており、市場の注目がどこに向かっているかを知る一つの指標とされています(Driven Car Guide)。
Cさんは、所有する車と同型・同年式の個体が直近のオークションでどう評価されたかを調べ、来歴の記録を専門家に確認してもらうことから始めました。結果、保管状態の良さとオリジナル部品の多さが評価されると分かり、修復には慎重になることにしたといいます。
「名前だけで価値が決まるわけではないと分かった」とCさんは振り返ります。手放すかどうかの判断も、来歴と市場動向を確認したうえで決めることにしました。