【気になる投資】 青は藍より出でて藍より青し?マンAHLとウィントンの関係②
2010.05.11 投資関連
≡INVESTMENT NEWS
「『青は藍より出でて藍より青し』と、なるか?マンAHLとウィントンの関係②」
(注)この情報はあくまでも一般的な情報提供を目的にしており、特定の商品についての募集、勧誘、媒介を目的にしたものではありません。実際に投資を行う 際には銀行、証券会社などにご相談ください。
ウィントン社とマン社との関係
1997年にデビッド・ハーディングはウィントン社を設立している。この1年 前にはAHLを退社しているが、このAHLは元々彼の頭文字も取って設立した会社であり、彼はその設立メンバーの一人であったが現在AHLには創業メンバ ーは一人も残っていない。マン社は今でもAHLを旗艦ファンドとしており、現在世界で約4兆円そしてそのうちAHLだけでで約2兆円近くもの資産を運用する、世界でも有数のヘッジファンド会社に成長し、またウィントン社も2007年には運用残高1兆円を突破するヘッジファンドの運用会社に成長している。
ウィントン社とマン社の違い
ウィントン社とマン社を比較すると特に以下の4点の違いが目につく。
今回は1.と2.について説明をしてみる。
1.会社全体の戦略における旗艦プログラムの位置付け
マン社はAHLを旗艦プログラムとして成長しているがその成功に乗り幾つかの運用会社を買収してきている。
例えばファンド・オブ・ファンズの「RMF」、 「グレンウッド」、「マン・グローバル・ストラテジー」や債券運用の「オアヒル」 と「ペンバ」などである。特に2009年の金融危機以降、ファンド・オブ・ファンズの運用者であった前述の3社は統合されている。
さらには最近は急成長しているブルークレスト社にも出資をしている。現在のマン社の運用資産はざっくりとAHLが50%で残りの運用者が50%と言う比率となっている。
ウィントン社はその運用資産殆どを旗艦プログラムである「ダイバーシファイド・ プログラム」によって運用を行っており、基本的には運用会社の買収という成長戦略を選択していない。現在のところこの旗艦プログラムである「ダイバーシファイド・ プログラム」そのものが「ウィントン社」であるといえる。 2008年の金融危機の際には、両社ともに旗艦ファンドであるトレンドフォロ ープログラムでは好成績を収めた。
しかしマン社の場合にはAHL以外の運用でかなりダメージを受けてしまっている上に、2009年には頼みのAHLでも初めての年間マイナスを記録している。
2.会社としての特徴
マンインベストメンツ社は自ら「世界最大級のヘッジファンドプロバイダー」と位置付けている通り、本質的にはヘッジファンドの運用会社では無いのかも知れない。
今まで外部の運用会社に少数出資から始め、その後完全子会社化するという戦略でこれまで拡大を続けている。 またマンは非常にマーケティングに長けた運用会社と言える。全世界にその販売 網を張り巡らせている。
また、それだけではなく毎年四半期ごとに投資家にとっ て魅力的と思える仕組商品等を数えられないほど過去には募集をしてきた。 加えてインターネットを最大限に活用した情報提供などは完璧に思わせるほど完 成度が高い物である。もちろん、これらが意味を持つには運用を持って収益とい う結果を出すと言う大前提がそこにはある。マンは特にAHLのために様々な研究と開発も行っている。
一方ウィントン社は当初よりリサーチを重視して発展をしてきている。基本的には片手で数えられる程度しか商品を持たず、主要な運用エンジンは基本的にはトレンド・フォロー型のみである。そして、その運用力向上のための研究とシステム開発にかなりの資源を集中している。最近でこそマーケティングも行うようになってきているようだが過去には「リサーチのウィントン社、マーケティングのマン」 とも言われ殆ど個人投資家には存在感がなかったのが実情であろう。
ウィントン社はさらに異なる戦略を持つファンドも数本運用しているが、ウィントン社の場合は社外にそれを求めると言うよりは、社内の人間が自ら「社内起業」のような形式をとって「ダイバーシファイド・プログラム」とは異なる運用戦略 のファンドをローンチしている。
創業に同じ人間が携わっていた両社であるがこんな風に違った発展をしているのは興味深い。次回は残りの二つの「3.旗艦プログラムの手数料体系」「4.トレーディングの執行方法」の違いについて説明をする。◆


