「スイス大手銀行であるUBSの米国での不祥事と オフショア金融への影響」-3
2009.05.17 プライベート・バンキング
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≡ COLUMN「スイス大手銀行であるUBSの米国での不祥事と
オフショア金融への影響」-3
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前回のメルマガから引き続き、UBSの不祥事がオフショア地域に与える
影響を取り上げます。
今回の件についての注目点として、
①UBSが5万人にも上る米国籍者および永住者に恒常的に脱税幇助のスキ
ームなどを提供していたこと、
②米国からの様々な圧力に対してUBSはスイス国内の裁判所の判断を待た
ずして、顧客情報の提供に同意をしたこと、
③これらによる今後のオフショア地域への影響
をあげましたがこれに沿って更に解説を続けて行きたいと思います。
◆①結論◆
今回の件は究極的には、UBSに限った話であって他のスイス銀行の顧客
に直ちに影響する話ではないことをあらためて強調しておきます。
ただしこれはあくまでも「当面」の話ではあります。とはいえ、面白おか
しく、またはセンセーショナルにあちこちで一人歩きするほど重要な話でも
ありません。
本来、触れることもままならない歓迎されない米国人を顧客にしてしまっ
ているのですから、起こるべきことが起きたまでの話です。むしろUBSの
経営陣の経営センスやその責任を改めて問い正すべき話なのです。
◆スイス銀行法が破られた◆
② ①の件がUBS個別の問題であった事と比較をして、この件はやや深
刻であると言わざるを得ません。なぜなら今までスイスの銀行で口座を保有
する顧客の情報はスイスの法律で守られてきたからなのです。
法律上、個々の顧客の情報を開示する場合には銀行はスイスの裁判所の判
断を待って、行うことになっているのです。
しかし、今回UBSは自らの身を守るために裁判所の判断を仰ぐという本
来の手続きを経ずして、その情報提供を約束してしまったのです。これは、
UBSが国際的に業務を展開するスイス最大の銀行でもあり、米国を敵に回
すことは最も避けたい事態であるからといえるでしょう。
この件について特にスイス政府の見解が発表された訳でもありません。現
実問題として、スイス政府にとってもスイス最大の銀行であるUBSが米国
から締め出されることとなれば、スイスの金融業における影響は計り知れな
いものがあるため、国の基幹産業でもある金融業を守るために避けなければ
ならない事態であったことは容易に想像できるところです。
しかし、その結果UBSの米国人顧客は口座を強制的に閉鎖されるだけで
なく、現実的にはその資金を回収できなくなり、今後米国の調査当局からの
追求に怯え続けなければならない状況に追い込まれることになったのです。
ちなみに、スイスに限らず、世界の金融機関でスイスのUBSを追われた米
国人を顧客に取る銀行はありません。
ここで問題なのは本来ならば、正式な司法手続きが行われた上で顧客情報
の開示に応じるのが正式な手順であったにも拘らず、それが守られなかった
と言うことに尽きます。これに加えて、米国では「非合法」である可能性が
あったとしても、スイスの銀行法を信頼していた顧客の信頼を大きく裏切っ
てしまった、という事実がスイス全体のイメージをも大きく損ねたことは否
めないでしょう。 (次回に続く)◆
(これは2009年5月2日に登録会員に配信されたものです)
≡ COLUMN「スイス大手銀行であるUBSの米国での不祥事と
オフショア金融への影響」-3
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前回のメルマガから引き続き、UBSの不祥事がオフショア地域に与える
影響を取り上げます。
今回の件についての注目点として、
①UBSが5万人にも上る米国籍者および永住者に恒常的に脱税幇助のスキ
ームなどを提供していたこと、
②米国からの様々な圧力に対してUBSはスイス国内の裁判所の判断を待た
ずして、顧客情報の提供に同意をしたこと、
③これらによる今後のオフショア地域への影響
をあげましたがこれに沿って更に解説を続けて行きたいと思います。
◆①結論◆
今回の件は究極的には、UBSに限った話であって他のスイス銀行の顧客
に直ちに影響する話ではないことをあらためて強調しておきます。
ただしこれはあくまでも「当面」の話ではあります。とはいえ、面白おか
しく、またはセンセーショナルにあちこちで一人歩きするほど重要な話でも
ありません。
本来、触れることもままならない歓迎されない米国人を顧客にしてしまっ
ているのですから、起こるべきことが起きたまでの話です。むしろUBSの
経営陣の経営センスやその責任を改めて問い正すべき話なのです。
◆スイス銀行法が破られた◆
② ①の件がUBS個別の問題であった事と比較をして、この件はやや深
刻であると言わざるを得ません。なぜなら今までスイスの銀行で口座を保有
する顧客の情報はスイスの法律で守られてきたからなのです。
法律上、個々の顧客の情報を開示する場合には銀行はスイスの裁判所の判
断を待って、行うことになっているのです。
しかし、今回UBSは自らの身を守るために裁判所の判断を仰ぐという本
来の手続きを経ずして、その情報提供を約束してしまったのです。これは、
UBSが国際的に業務を展開するスイス最大の銀行でもあり、米国を敵に回
すことは最も避けたい事態であるからといえるでしょう。
この件について特にスイス政府の見解が発表された訳でもありません。現
実問題として、スイス政府にとってもスイス最大の銀行であるUBSが米国
から締め出されることとなれば、スイスの金融業における影響は計り知れな
いものがあるため、国の基幹産業でもある金融業を守るために避けなければ
ならない事態であったことは容易に想像できるところです。
しかし、その結果UBSの米国人顧客は口座を強制的に閉鎖されるだけで
なく、現実的にはその資金を回収できなくなり、今後米国の調査当局からの
追求に怯え続けなければならない状況に追い込まれることになったのです。
ちなみに、スイスに限らず、世界の金融機関でスイスのUBSを追われた米
国人を顧客に取る銀行はありません。
ここで問題なのは本来ならば、正式な司法手続きが行われた上で顧客情報
の開示に応じるのが正式な手順であったにも拘らず、それが守られなかった
と言うことに尽きます。これに加えて、米国では「非合法」である可能性が
あったとしても、スイスの銀行法を信頼していた顧客の信頼を大きく裏切っ
てしまった、という事実がスイス全体のイメージをも大きく損ねたことは否
めないでしょう。 (次回に続く)◆
(これは2009年5月2日に登録会員に配信されたものです)


