ファミリーオフィスとは究極のプライベートバンク
一定規模の資産を保有する同族及び一族を対象に、多世代を視野に入れその一族の恒久的な繁栄を最終目標とし、資産の運用及び事業継承等の財務的な管理計画を立案・実行するための外部機関を意味します。すなわち、その一族にとって総合企画担当及び財務部門とも言えます。したがって、顧客及びファミリーオフィスにとっての共通目標は、一族の永続的な発展ということになるわけです。
ファミリーオフィスの歴史と展望
もともとは米国で発達した形態です。1820年代以降の米国において、産業の勃興を契機に誕生したロックフェラーやカーネギー等の事業に成功した一族の資産の保全、次世代への継承を目的に発展しています。近年ではマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏もファミリーオフィスを設営しており、米国では、既に3,000以上のファミリーオフィスが存在しています。
日本でのファミリーオフィス
日本では「ファミリーオフィス」という考えは目新しく、まだなじみの無いものです。
日本国内では一族の人間が兼務で資産を管理するケースが多く、一族の資産を一箇所に集中して管理、保全、運用するケースはまだまだ少ないといえます。また、それらの資産は、持ち株、不動産、その他の比較的流動性の低い資産として保有されているケースも多く、また流動性の高い資産で保有していても、圧倒的に現金が多く、株、債券などの資産に配分するケースは少ない傾向があります。
その結果、一族の資産管理の中心は国内での節税や保険に加えて不動産となっています。しかし、昨今世界経済は密接に相互作用し、おのおの何らかの形で連動するようになってきています。したがって、日本に限った範囲での資産管理や保全ではいろいろな面で、そのニーズに対応することができなくなっているのが現状です。
七つの海へ再び
日本は江戸時代の長い鎖国時代を明治維新で終えて以来、現実的には世界経済の枠組みに強く取り込まれています。現在、日々の生活において海外に依存せずに完結することはむずかしい、という現実を見据えなければなりません。さらにその国土の小ささや天然資源の少なさを考慮した場合、緊急の事態に備えるだけではなく、積極的に日本国外の枠組みを活用していく事は当然というよりは必然的な流れといえます。
情報戦を生き残るには
究極的に資産管理、保全、運用は「情報戦」です。つまり如何に優れた情報を収集し、分析し、戦略を構築し、それを実行するか、がポイントとなります。この「情報戦」を生き残るためには、子弟のしつけ、訓練、教育を含めた10年単位での長期的な計画が必須となることを肝に銘じなければなりません。
プロフェッショナル・サービスへのニーズは今後、益々拡大
ITに代表される第二の産業革命と言われる情報技術の発達と共に出現したのが、IT長者と呼ばれる人達です(ストック・オプションの浸透も追い風)。最近の世界的な資金の流れの激変に伴う当局による規制強化は、そのような新富裕層からの資産運用・税務・法務のプロとしてのファミリーオフィスへのニーズを増加させています。
ファミリーオフィス・ウィークリー Family Office Weekly Intelligence
最終更新:2026年11月2日 | Vol.45
今週のハイライト
- Star Asia Groupが国内資本向け初のプライベートファンドを設立し、日本郵政保険がアンカー投資家として参加。同ファンドは住宅物件を中心に300億円(1億9000万ドル)規模で運用される(参考: Mingtiandi, 2026-10-30)
- プライベートエクイティ企業PAGが、中国恒大集団の不動産管理部門の51%株式をHK$40.3億(約5億1370万ドル)で取得することに合意。破綻したデベロッパーの清算人による過去最大の資産売却となる(参考: Mingtiandi, 2026-10-30)
- Citizens Private WealthがComerica Bankから12億ドル規模のニューポートビーチチームを獲得。Matt WebberとChris Illianoがカリフォルニア州での富裕層顧客基盤拡大に貢献する(参考: wealthmanagement, 2026-10-28)
今週のテーマ:不動産・インフラ投資
米国では住宅市場に変調の兆しが見られ、中古住宅価格の中央値が3年以上ぶりに下落した一方、賃料は上昇している(参考: Real Estate, 2026-10-29)。FRBは金利を据え置いており、住宅ローン金利は2週連続で低下したものの、借り手はよりリスクの高いローンで節約を求める傾向が強まっている(参考: Real Estate, 2026-10-28)。商業用不動産では、今後2年間で大量の債務が満期を迎える「massive wall」が到来しており、一部の投資家にとっては好機となる可能性がある(参考: Real Estate, 2026-10-27)。アジアでは、シンガポールのCapitaLand Integrated Commercial Trustが第3四半期の純不動産収益を前年同期比13.8%増のS$3億3490万(約2億6100万ドル)に伸ばし、Paragon複合施設の寄与が本格化した(参考: Mingtiandi, 2026-10-29)。
来週の注目点
米国商業用不動産の債務満期集中が今後2年間続くため、ディストレスト投資機会の動向に注目が必要(参考: Real Estate, 2026-10-27)
参照記事一覧(14件・日付順)
- 2026-10-30 | Mingtiandi | Japan Post Insurance Anchors Star Asia’s $190M Domestic Property Fund ★テーマ関連
- 2026-10-30 | Mingtiandi | PAG to Buy Control of Evergrande Property Management Arm for $514M ★テーマ関連
- 2026-10-30 | Family Capital | Person of the Week: Marc Klopp – from football to family office
- 2026-10-29 | Real Estate | Home prices fall and rents rise, both for the first time in three years ★テーマ関連
- 2026-10-29 | Mingtiandi | Singapore’s CICT Gets Paragon Boost as Q3 Property Income Climbs 14% ★テーマ関連
- 2026-10-29 | Family Capital | Genetically optimised dogs, an airline…all the latest deals
- 2026-10-29 | Family Capital | Partner Content: You protect your wealth. Who protects you?
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- 2026-10-28 | Real Estate | Fed leaves rates unchanged: What it means for credit cards, mortgages, auto loans and savings accounts ★テーマ関連
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- 2026-10-28 | wealthmanagement | Investing in Trump Accounts—A New Form of Philanthropy?
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- 2026-10-27 | Real Estate | Frozen housing market sends remodelers mixed messages ★テーマ関連
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