「マーケットの魔術師」の著者であるジャック・シュワッガー氏とのミーティング
10月にローンチされた「マーケット・ウイザーズ・ファンド」のプロモーションのため来日中のジャック・シュワッガー氏とホテル・ニューオータニにてミーティングを行いました。早朝のミーティングでかつ短い時間であったにもかかわらず、非常に懇切丁寧にファンドの説明をしていただき、大変好感を持ちました。
同氏が運用する「マーケット・ウイザーズ・ファンド」(通称MWF)は複数のヘッジファンドを組み合わせたファンド・オブ・ファンズです。今年の10月に募集を開始しおおよそ10百万ドル(12億円)の資金を集めて運用を開始しています。今回は主に日本の機関投資家に対してのプロモーションを行ったようです。
さて、このファンドの特徴としては、 1)シュワッガー氏の幅広い情報網の活用、各マネージャーとの直接インタビューや同氏のトレーダーとしての経験を生かした定性分析 2)計量分析能力 3)リスクを減少させるためのレバレッジ 4)グローバル・ファンド・アナリシス社とシュワッガー氏によるダブル でのデューデリジェンス 等が上げられると思います。
最も魅力的なのは1)であることは間違い在りません。2)に関しては分析そのものは、大変しっかりとして居ますが、所詮は過去のデータの統計的な分析です。つまり、将来が過去の繰り返しには必ずしもならないため、それほど当てにはならないかもしれません。しかし、それでもその定量分析能力の高さを示すのには十分でしょう。また、3)に関しては、独特の戦略を構築しており興味深いものです。さらに、このファンドでは全体として株式市場へのエクスポージャーをネットとグロスで常にモニタリングをしています。4)に関してデューデリジェンスを2重化する事はそれなりの意味はあると思われます。
全体の印象としてマネージャーの選択、リスク管理などのプロセスは非常にシステマティックかつ理路整然としているため、投資家にとってはそれなりの安心感が得られるでしょう。
ただ、ファンドとしてのトラックレコード(運用実績)がまだ十分でないため、初期投資は小さめに行い、本格的な投資は、最低一年間のモニタリングの後に開始するのが良いでしょう。
機関投資家がどのくらいの規模で投資をするのか興味が沸くところです。
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