円アウトルック
円アウトルック 12月13日付のS&P社、MMSレポートでは、円は対ドルで135円まで下落すると予測されていた。そのときのドル円は126円20銭近辺で取引されていた。これだけ読むとかなり正確な予測に思えるが、実は2002年末のドル円を予測したものだ。MMSレポートでは、125円から135円までの10円を取引レンジと予想していたが、実際には、一ヶ月足らずで133円まで下落した。ここに来て、日本政府関係者、並びに、金融当局関係者が円安の『速度』が速すぎると口々にしているが、円安『トレンド』はファンダメンタルから当然の事として語られている。
それでは、アメリカ政府の反応はどうだろうか。9月11日の同時多発テロ事件以後、アメリカ政府関係者の口からは『経済』と言う言葉が消えた。しかし、あれから四ヶ月が経ち、ブッシュ大統領の口からは二つのEが頻繁に発せられている。Education&Economy-教育と経済に焦点を置いて、この一年はアメリカ経済復興に力を入れると宣言した。また、グリーンスパンFRB議事長は米経済の先行きを楽観視していない。景気後退のリスクにさらされている米経済が強いドルを支持することは難しい。
一連の口先介入から、やはり、ドル円の取引範囲は、125円から135円と見るのが妥当だ。そして、ミッドポイントにあたる130円を中心に上下、2円50銭の幅の中で取引される分には誰の目から見ても受け入れられる筈だ。つまり、127円50銭から132円50銭にドル円を落ち着かせようと日本政府関係者をはじめ、アメリカ政府機関までもが協力し合って市場に圧力をかけてくるだろう。既に、小泉首相に東南アジア諸国は、過度な円安にならないように市場調整することを伝えている。
米ドル商品に投資している機関投資家は、為替変動ヘッジについて127円を上回る円高に対して、米ドルのプットオプションを購入している模様だ。外貨預金でドル資産を保有している場合、キーポイントは127円になる。また、外貨預金の一部を為替マージン口座に移して、為替変動ヘッジを取れるようにすることも念頭に置くべきだろう。この場合、基本運用は、130円近辺ではドル買い・円売りのポジションを取り、円が127円より高くなった場合のみ、円買い・ドル売りのポジションを建てる。125円を上回る円高にはドル商品保有をやめるか、また、円買い・ドル売りポジションを増やしていく。130円近辺で買ったドルは132円を超えてきたところで、一旦、手しまうのが良いだろう。
その理由に、政府関係者から横槍が入る可能性が高いからだ。グローバル経済の視野に立って為替市場を分析した場合、これからも円安トレンドは続く。トレンドが明確な場合、投資家が気をつけるべきことは商品の変動率。為替市場にも分散投資している商品を保有する時期が到来したようだ。
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