株式市場の代替資産としての商品
米国株式の調整局面が続きイラク進攻が時間の問題とされる昨今、株式市場との連動性の低い代替資産として注目を浴びるアセット・クラス(資産の種類)である「コモディティー」または「商品」に関して説明をしよう。
通常、この「商品」と類されるものは消費されまたは移動できるたぐいの資産である。例えば、とうもろこし、大豆などがある。またはその「商品」を加工する事により新たな「商品」にする事も可能である。例えば原油などはガソリンにもなる。
株、債券等の金融資産との大きな違いはその物自体が経済的な価値をもつ点であろう。しかし、債券のクーポンや株の配当のように将来にわたって収益を生むものではない。
また、金融商品との最も異なる点は「商品」が非常にグローバルな市場な性格をもっている点で、その価値は大部分が米ドルで表示される。つまり「商品」はある特定の地域での需要と供給の関係で値段が決まるのではなく、世界的な需給関係で決定される。ある地域の経済状況が色濃く反映される株式市場とこの点で大きく異なる。
最後にその特徴として「商品」は、伝統的な資産運用の理論である「現代ポートフォリオ理論」(MPT)が当てはまらない点が上げられる。ある研究によると、これらには二つの理由がある。
一つはMPTが典型的な金融資産を想定しているため、「商品」のリスクを株式市場のリスクといわれる「システマティック・リスク」と個別銘柄のリスクである「ノン・システマティック・リスク」とを明確に分けることができない点である。
そしてもう一つの理由は、「商品」の値段は全世界の需給状態が反映され、ある銘柄に如何に適切なリスク・プレミアムがついているか、という観点からその値段が決まるわけではない点である。
要は、この「商品」といわれる資産は株式、債券そして不動産などのような資産とは全く異なる資産に分類される、という事である。
次回はこの資産(アセット・クラス)へのアクセスの仕方を説明しよう。
続く
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