戦略的不動産投資のすすめ

Posted on Nov 19, 2002

 不動産の投資魅力に目覚めて、去年から実際に3億円弱購入してみました。オフィス・路面店舗・マンションいろいろ買って、表面利回り14%。しかし知り合いは20%ぐらいある物件を買っていました。悔しい。14%と言っても、現在の期間キャッシュフローを購入コストで割っただけなので、税金その他費用を引くと11%ぐらいでしょうか。テナントが空けばさらにキャッシュフローは悪化し、投資利回りは下がります。でも、満室なら9年すれば、投資資金が完全に戻ってくるわけで、悪くないですよね。それ以降のキャッシュフローは完全に不労所得として、20年ぐらいは入ってきます。私的年金を確保。

 しかし、物件探しなど、不動産屋さんともすったもんだしました。 この経験を元に投資としての不動産について、あれこれ考えてみました。

戦略的不動産投資のすすめ

 長引く低金利、ぺイオフ解禁、将来への年金への不安などを背景に、不動産投資への関心が高まっています。港区など都内の一等地では、投資用ワンルーム・マンションの建設が盛ん。またREITのように、不動産投資信託も登場し、投資家の不動産投資への選択肢は広がっています。 しかし、土地の価格が下げ止まらず、経済の低迷が長引く中で、資産運用の選択肢として、不動産投資をどう捕らえればいいのでしょうか?また、現実に投資する場合、どのような点に注意しなければならないのでしょう。

  そもそも投資は、資金を投下し、一定期間後に回収を完了させ、初めて完結します。債券投資も株式投資も、不動産投資も、資金運用・投資では同じ観点から、比較することができます。投資期間・回収の方法は異なっても、その収益性とリスクを正しく測ることができ、投資スタンスが決まっていれば、合理的に不動産へ投資する(しない)という判断ができるはずです。

 一口に不動産投資といっても、ワンルーム経営・アパート経営・オフィス用物件など様々。頭金が少なくてすむからワンルーム経営?土地を相続したからアパート経営?

 「でも、どれがどう有利なの?」
 「株式投資とどっちが有利?」

 残念ながら、現在の不動産投資には、理論的な根拠をもって戦略的に投資している例は非常に稀だといえます。理由は幾つか考えられます。日本には土地に対して神話的な偏見があり、投資対象として認知されていないこと、または投資文化が個人レベルで根づいていないことが挙げられます。

 不動産を投資対象と考えても、不動産価格が不透明であることが大きな障害になっています。個々の不動産に個体差が著しいこともありますが、古い体質の不動産業界では売買情報の開示が進んでいないですし、取引事例を元にした鑑定などにより、投資判断に必要な情報が得にくいことも問題です。

 右肩上がりの土地神話は崩れた今、キャッシュフローを重視した不動産投資分析が適正に行われていないことも挙げられます。これは、多くの投資用不動産と呼ばれている商品が、不動産の売り手側の論理で値付けられ販売されているので、リスク・リターンをきちんと説明していません。

 投資スタンスは、人それぞれ様々です。安定した公務員の仕事をしている方、プロ野球の選手や外資系金融機関のトレーダーのように、不安定だか短期間に収入が多い場合、または50歳台の会社経営者が、将来の老後の生活を考えて私的年金として、または税金対策として、不動産投資を考えるなどなどです。現在の資産、将来の収入とその安定性、そしてそれぞれの方の、価値観と人生計画によって、100人の人がいれば、100通りの投資スタンスがあるはずです。 しかし投資スタンスに関わらず、不動産の投資分析は、一つの基準である程度適正に行うことができるはずです。

 では実際どのように、投資対象として分析し、評価していけばいいのでしょうか?  



<<ニュースの見出しに戻る

Top Page

Copyright© 2001, J. K. Wilton & Company.
For further information contact webmaster@jkwilton.com