賢い商品先物ファンドの選び方は?
③賢いファンドの選び方は? 商品ファンドに関わらず、「投資」とはリスクとリターンの選択と言えます。投資の世界での「リスク」とは、「損失を被る可能性」ではなく、「収益の変動性」を指しています。安定的で、つまり収益の変動性が少なく、高い収益を実現する投資が、当然望ましい訳ですが、一般的に、ハイ・リターンはハイ・リスクを伴います。特に、レバレッジが可能な投資には(商品ファンドもレバレッジ投資をしているもが多い)、初期投資以上のリスクを、取ることによって、高収益を実現できる場合もあります。
ですから、高収益の履歴だけを見て投資すると、思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれません。そこで、まず、賢くファンドを選ぶ条件を列挙してみました。
1.3年以上のトラック・レコード 2.適切なファンド・サイズ 3.ディスクロージャー 4.コストと流動性 5.リスク・リターンを加味した、収益性とその安定性
立ち上げられたばかりのファンドは、リスク・リターンを元にした収益性の予想ができないばかりか、運用者の運用体制が安定したものかどうか判らないので、賢明な投資家としては、避けた方がよいでしょう。有名な学者や、かつて名声を馳せたウォール街のトレーダー・アナリストなどが運用に参加していたとしても、できれば3年以上の運用成績がないと、選択の対象とするべきではないでしょう。
一部のファンドでは、一人のファンド・マネージャーが辞めてしまったりしただけで、運用成績が急に悪化すこともあるので、組織として運用体制が安定していることも非常に重要です。
ファンドの運用資金の大きさも、重要です。通常、小規模で運用を開始し、パフォーマンスの上昇によって、運用資金は大きくなっていきます。10億円以下のファンドでは、充分に分散投資ができず、高い運用成績でも、運用の安定には疑問が残ります。逆に、10000億以上のファンドは、最も有利な投資対象やタイミングを捉えることができず、商品市場のマーケットの大きさからも、効率的で高い収益が望め無い場合があります。良心的なファンドでは、ある程度の規模になると、投資効率の悪化を懸念して新規資金の受付を辞めてしまいます。
グローバルに分散投資している商品ファンドの場合、10億円から300億円ぐらいが理想的と考えられます。
運用体制、運用内容の開示も重要です。定期的に、安定して、必要な情報を開示していて、投資家からの照会にも、インターネットなどを通じて、丁寧に対応しているファンドが理想的です。
また、ファンドへの投資のコストとしては、購入時の手数料以外にも、成功報酬や解約時にもチャージがある場合もあります。また、解約時期にも制限がある場合もあるので、注意が必要です。
これらの条件で、投資対象となるファンドが絞れたら、リスク・リターン分析を行います。 平均月次(年次)リターン・月次(年次)シャープレシオ・最大下落率・月次勝敗などが、一般的です。
一番簡単で有効なのが、シャープ・レシオのように、収益率を収益の変動性で割った数値です。収益率を最大下落率(MAX DRAW DOWN)で割ったものも有効です。
そして最後に、ファンドとしての運用理念がしっかりとしているかどうか充分吟味する必要があります。
次回は具体的なファンドを幾つかあげてみましょう。
続く
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