迫る大統領選挙:低迷の終わりは回復の始まり?

Posted on Oct 22, 2004

今回は11月2日に行なわれる大統領選挙の結果が与えるヘッジファンド、特に先物系ファ
ンドの収益への影響についてです。今回は筆者のスペキュレーションを含む独断と偏見による
分析となりますのでご了承ください。

■■■■■■■■ブッシュかケリーか?■■■■■■■■

 大統領選挙が間近に迫ってきた現在、接戦が伝えられているが、そうなると益々ブッシュが有
利と見られる。その理由は通常現職候補が有利であることだけでは無く、現ブッシュ大統領が4
年前にフロリダでのばたばたを経て当時のゴア候補との接戦を制して最終的に選出された事を
彷彿させるからだ。

 つまり、なりふり構わずあらゆる手段を講じて再選を目指すような状況が改めて、思い起こさ
れるのである。今回、ケリーとのテレビ討論会において、背中にレシーバーを忍ばせて第三者
から助言を貰っていたのではないか、との疑惑も見事にうやむやになっていることも、それが再
度現実化される可能性が高い事を示唆しているのではないか。

 ケリーが勝つには現時点で既に大差をつけていなければならないのだ。

■■■■■■■■大統領戦後の一般的な見通しは?■■■■■■■■

 連邦政府発表の経済統計、大手企業の決算報告などのデータを額面通りに受け取れば、
米国の景気回復は軌道に乗っておりブッシュが再選されれば、現政策が維持され株価は
更に上昇する事となる。そして逆にケリーが選ばれれば株価は下落する事となる。

 しかし本当にそうだろうか?

■■■■■■■■例えばケリーが勝ったら?■■■■■■■■

 もし民主党ケリーが勝てば、製造業などに支持基盤を持つため対日の貿易政策は強便に
なるといわれている。従って、日米の貿易赤字を縮小させるために円高を容認することになる
と予想される。また米国の財政赤字を解消するために短期には財政出動を減らすため一時的
には景気が低迷すると思われる。従って株式は短期的には低迷することが予想される。

 しかし、ケリーが選ばれれば短期的な調整の後にはより本格的な反発も予測されるであろう。
民主党の候補は一部の富裕層や大企業に的を絞った共和党候補よりもより大衆寄りのやや
良識的そして根本的な政策を取る可能性が高いのである。

■■■■■■■■ブッシュが勝ったら?■■■■■■■■

 基本的には現状の政策を維持することになるはずである。しかし、一つだけ違うことはこれ
からの4年間は再選を意識する必要が無くなる点である。

 既に米国の財政赤字、貿易赤字そして家庭のレベルでの赤字は限界に達していると言わ
れている。それに拘らずアメリカの株式市場は10000ポイント付近を維持してきたが、さすが
に再選される事になれば息切れ感から株価は下落することが予測される。場合によっては年末
に予想される追加利上げも見送られるかも知れない。

 再選を目指すために、実態以上に経済を良く見せる必要は今後は無くなるのである。

■■■■■■■■米国株式が下落するならば何に投資をすればいいのか?■■■■■■■■

 今年の4月から低迷が続いた先物ファンドの下落は夏ごろの歯止めが掛かった。しかし
今回下落はどのファンドにとっても決して楽なものではなかった。

 一方で、一度高値を付けてから下落をしている多くの先物ファンドにとっては、過去につけた
高値を更新しない限り、成功報酬は発生しないため、再度高値を戻すのは通常よりも短期間
で達成することが見込まれる。

 更に米国株式市場の動向と、これら先物ファンドの値動きには過去には強い逆相関性が見
られるため、もしどちらかの候補が選ばれても米国株式市場が下落すると考えると、先物ファンド
の値段が大きく上がることが見込まれる。 

 つまり、今回の米大統領選挙は長く続いたヘッジファンド、特に先物ファンドの低迷にピ
リオドを打ち、新たなトレンドを形成する本格的な回復の始まりへの転換点としてみること
ができるのである。   

 既にこれらの先物ファンドを多くポートフォリオに組み込んでいないのであれば、特にオー
プン・エンド型の先物ファンドを今月末付けで買い付けるのは面白いかもしれない。◆

■■■■■■■■<ご注意>■■■■■■■■

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